メガバンクM銀行の店頭でクレジットカードの販売に従事していた派遣労働者のMさんが金融ユニオンに加入しました。Mさんは以前金融ユニオンの組合員でしたが、その時の問題が解決して組合を一時離れていました。その後、決済業務のキャッシュレス化が進む中で、商店などの支払いに際してクレジットカードのデータ読み取りと決済を行うシステムの導入が進められ、Mさんたちに新システムの導入推進が追加されることになりました。この業務追加に伴い、賃金や労働条件の変更が進められましたが、それに伴い従来3ヶ月間契約だった雇用契約が一方的に2ヶ月に、さらに1ヶ月にと短期化されようとしました。雇用の継続に不安を抱いたMさんは金融ユニオンに相談し組合に再加入して銀行と交渉し、雇用契約を3ヶ月に戻すことができました。労働組合としての団体交渉の中で、コロナウイルス感染防止対策でも派遣労働者への配慮が正規従業員と比べて差別的であった問題に対して会社から謝罪が表明され改善が確認されました。新システム導入に伴い、一方的に雇用契約が2ヶ月、1ヶ月とされること自体、派遣労働者の生活を安易に脅かす労働者派遣制度の問題点を示しています。この問題点を当事者であるMさんが声を上げて告発し労働組合が交渉で改善を実現しました。コロナウイルス感染防止用にフェイスシールドが配られましたが、Mさんたちに配られたものと、行員に配られたものでは品質の違いがあり、Mさんは行員と同様のものを自費で購入して使ったと言います。感染防止の安全配慮からも、同じ店頭で一見して目に見える差別という点でも差別される側の悔しさが理解されます。派遣会社は費用は請求に応じますと答えていますが、費用の問題以上に人権感覚の問題です。たった一人でも、派遣労働者が当事者として声を上げ労働組合が支えることで労働者派遣制度の非人間性が浮かび上がります。報告を読むメガバンクの派遣労働者 金融ユニオン加入 (2020年9月2日up)