金融・労働ネットワークでは10月21日に開催した定例研究会で、商工中金の不正融資問題と合わせてスルガ銀行の不正融資問題を議論しました。この研究会で静岡大学の鳥畑与一教授は「スルガ銀のビジネスモデル破綻の意味」について詳細なレジュメと資料を示し、スルガ銀行の不正融資に関する第三者委員会の報告を分析。鳥畑教授はスルガ銀行のビジネスモデルが地域の中小企業融資から離れて、個人向け融資に特化し、カードローン、不動産関連融資、県境を超えた営業展開に走る方向に進んだことが今回の暴走につながったことを指摘。その背景に量的緩和とマイナス金利政策によって地域金融機関の金融仲介機能が発揮できず、本業での収益確保が極めて困難になっていることなどを指摘しました。またそうした状況の下で、地方銀行への海外投資家の投資比率が増大しているなど、地域金融機関経営が国際的に広がっている株価至上主義に左右されることへの実態分析の必要なども指摘しました。報告レジュメ 「スルガ銀のビジネスモデル破綻の意味」(2018年11月25日up) 表1 スルガ銀行の部門別貸出額と収益不動産貸出 表2 地方銀行の収益の推移 表3 スルガ銀行の収益の推移 表4 スルガ銀行収益の推移と配当金 表5 スルガ銀の新規貸出額推移 表6 役員報酬比較 表7 スルガ銀行の株主構成 表8 スルガ銀のストックオプション制度