金融・労働研究ネットワークは10月15日に「現代資本主義における格差と経済危機」をテーマに研究会を開催し、当ネットワーク代表の高田太久吉氏から報告を受けました。高田代表はリーマンショックを契機として発生した金融恐慌に象徴される現代の金融危機と、古典的な過剰生産恐慌の違いを確認。実物経済における過剰生産から恐慌が発生することは起きない中で、「貨幣資本の過剰蓄積」の状態化が金融危機を頻発させていると指摘しました。報告の中では「フォーブズ誌」長者番付トップがビル・ゲイツ氏で資産総額が8兆4800億円に達するなど紹介し、現代の超富裕層は企業経営者などが大勢を占め、寄生的な資産家ではないことにも触れ、その資産の大部分がが証券そのほか架空資本の形で蓄積されていて、今日の資本主義的生産関係の下でのみの富にすぎないことをも指摘。報告を受けた後の討論では研究会参加者から高田代表の近著「引き裂かれたアメリカ」についての書評や関連する論文の紹介があり、活発の議論が行われました。