「異聞 風聞」 5兆円の財源がここにある
当金融・労働研究ネットワークのサイトにもアップしている合田寛氏(政治経済研究所理事)のレポートアップルの空飛ぶ魔術―失われた2000億円の税収 合田寛(2017年6月22日up)が「北海道新聞」8月6日付のコラムで紹介されました。同紙編集委員の辻岡英信氏による「異聞 風聞」では「5兆円の財源がここにある」と題して次のように書いています。
「新内閣の発足に当たり安部首相は『おわび』を口にした。『本心』なのか。謙虚さを演じて批判の嵐が過ぎ去るのを待つ戦術か」。このように書き現政権の「おごり」が中央官庁の幹部人事にも表れていると指摘。財務省理財局長だった佐川宣寿氏を国税庁長官に起用した人事をその「極めつけ」と断じています。その理由を「森友学園への国有地払い下げ問題」で大幅値引きの経緯を追及する野党議員の質問に「面談記録は廃棄した」と居直り答弁をした人物としています。そのうえで佐川新国税庁長官を「とはいえテレビで拝見する限り、佐川氏は有能な人物のようだ」と皮肉たっぷりに言って「ぜひとも取り組んでほしいテーマ」としてタックスヘイブンを利用した多国籍企業の税金逃れを告発。合田寛氏のレポートで分析している数字を使って「日本が多国籍企業から取り損なっている5兆1千億円は、本年度税収(57兆7千億円)の9%弱」として「ここで頑張れば内閣支持率回復は間違いなし」と「おごり」の極めつけ長官にはおよそ不可能な多国籍企業への徴税強化を呼びかけています。
田中は高校時代この北海道新聞を愛読していました。ベトナム戦争で「北爆」がエスカレートする時期で、米軍の残虐な行為の記事を連日熟読。ケサンの攻防戦など今でも記憶に残っていますが、このコラムに「道新は健在なり」と道産子としての郷土愛を呼び覚ましました。(金融・労働研究ネットワーク 田中均 2017年8月11日up)