金融・労働研究ネットワークでは11月21日の研究会で信用保証制度の見直しの動きが急速に進んでいいることが明らかになり、1月31日に静岡大学の鳥畑与一教授に「アベノミクスの中小企業政策と信用保証制度改革」をテーマに報告していただきました。
鳥畑教授はまず安倍政権の中小企業政策が、ダメな企業を退出させ生産性を上げることを目指している点を明らかにしました。その中小企業政策の中で信用保証・補完制度をも企業創成期か成熟期かなどの企業の「ライフステージ」に応じて保証協会の保証割合に格差をつけ企業の新陳代謝を促すものと指摘。これに対する信用保証協会や中小企業団体など関係団体の見解を紹介し、現実が求めているのは小口保証やセーフティネット保証など100%保証の維持拡充、保証の額や対象の拡充であると主張されました。ダメな企業は退出させるという基本的な視点は企業リストラに際しても示されています。IBMはロックアウト解雇を相次いで強行しています。その背後にあるのは企業の恣意的な評価で「生産性の低い労働者」を順次入れ替えていく(切り捨てる)のは当然だという主張です。
鳥畑与一教授報告レジュメ「アベノミクスの中小企業政策と信用保証制度改革の問題点」(2016年3月15日up)