ウイスコンシン州のたたかいを報告

ウイスコンシン大学院生エイドリアン・パジックさん
全労連が報告会開催

 9月19日、全労連は「ウイスコンシンのたたかいに学ぶ」と題する報告会を開催。世界中の労働運動が注目するウイスコンシン州でのたたかいを、州議会議事堂占拠の中心にいた大学院生エイドリアン・パジックさんを招いて報告を受けました。
 2008年のリーマンショック、その後の欧州金融危機の中で各国での労使対立が激化しています。リーマンショック後の経済危機の中で新自由主義経済政策の見直しが進むかに見えましたが、アメリカのティーパーティ運動に象徴される右翼勢力の巻き返しが強まりました。そして、ギリシア危機以降の財政危機の中で緊縮財政=福祉切捨て・国民への負担の転嫁と、それに対抗する労働組合の全国規模のゼネラルストライキ頻発。多国籍巨大企業の利益優先の財政緊縮=新自由主義政策か福祉優先の持続的経済政策かをめぐる激しい攻防が続いています。
 アメリカのウイスコンシン州で、スコット・ウオーカー知事による緊縮財政=労働組合つぶし政策とこれに対抗する労働組合のたたかいは、こうした世界の労働者・市民の運動と、新自由主義を推し進めようとする勢力のたたかいを象徴するものとして世界中の注目を集めていました。
 スコット・ウオーカー知事がむき出しの労働組合つぶし政策を強行し、それに対抗して労働組合と市民が知事リコールキャンペーンを展開し、リコールを成立させました。しかし、リコール成立後の再選挙戦でスコット・ウオーカー知事が勝利します。アメリカの労働組合のラジオ放送「ラジオ・レイバー」(Radio Labor)は、「アメリカの民主主義は死んだ!」と言う地元労組員の悲痛な叫びを報じていました。米財界が巨額の資金を知事陣営につぎ込んだとも報じていました。しかし、そのスコット・ウオーカー知事が強行した労働法の条項を違憲と判断する判決が出されるなど、たたかいはさらに続いています。
 講演では議事堂占拠に地域からの支援が集まり、農民がトラクターでデモをしたり、教員組合の職場放棄によるデモ参加で公立学校が休校になり、高校生たちが支援に駆けつけたこと紹介されました。そのときの様子をパジックさんは「おや子どもが一人来た、あらまた一人来た」と思っているうちに続々と高校生がやってきて驚いたことを、そのときの驚きを再現するように話しました。このたたかいに世界中の関心が集まり100ヶ国以上から、ピザの差し入れ注文が提供されました。「あんなに大量のピザを見たのは人生ではじめて」とパジックさんは笑いながら話していました。当日配布されたレジュメ他資料をアップします。(2012年10月8日up)
「ウイスコンシン州のたたかいに学ぶ」報告レジュメ(2012年10月8日up)
赤旗記事 「州法は違憲」(2012年10月8日up)
おおさか社会フォーラム2012資料(2012年10月8日up)
ウイスコンシン州地図と日誌(2012年10月8日up)

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