研究会報告


「キャリアに活かす雇用関係論」に寄せて⑤ 金井郁(2024年11月12日UP)

金融・労働研究ネットワークは「働き甲斐ある職場をどう実現するか──ジェンダーの視点を基軸に」をテーマとする研究会を2024年6月29日に開催しました。研究会では、今年出版された駒川智子・金井郁編著(2024)『キャリアに活かす雇用関係論』世界思想社をテキストに、同書編者・執筆者の駒川智子教授(北海道大学)、金井郁教授(埼玉大学)、川村雅則教授(北海学園大学)から報告を受け、金融労連さわやか信金従組の倉澤友輔委員長から「育児短時間勤務制度拡充の取り組みについて」職場を変えていく実践として報告を受けました。

第8章の「管理職」と第12章の「労働組合」を執筆した金井郁教授は「会社と労働組合への意思決定への関与とジェンダー」について報告されました。

金井教授の報告を開く「キャリアに活かす雇用関係論」に寄せて⑤ 金井郁 (2024年11月12日UP)

金井教授の報告資料を開く「報告資料 会社と労働組合への意思決定への関与とジェンダー


京都北都信金分会が利用者(OB)アンケート実施 (2024年11月7日up)

店舗の閉鎖・統廃合、ATM閉鎖等に不満

金融ユニオン近畿支部・京都北都信金分会で取り組んだ利用者(OB)アンケートには、600項目近い要求が寄せられました。その内容は多岐にわたり、信金の店舗閉鎖・統廃合・ATMの閉鎖など、利用者サービスの低下などを中心に、多くの不満が出されています。

「京都北都信金分会が利用者(OB)アンケート実施」を開く京都北都信金分会が利用者(OB)アンケート実施(2024年11月7日up)

アンケート集計表11月3日研究会資料②京都北都信金分会アンケート集約結果表


金融・労働研究ネットワーク研究会「地域社会における金融機関窓口の在り方を考える」② 星野慧(2024年11月7日up)

2023年研究会報告 「農協の合併・組織再編と地域の生存権」 星野慧

当ネットワークでは2023年10月15日に「地域社会のおける金融窓口(金融機関、郵便局、農協)のあり方を考える」をテーマに、金融労連・上田直也書記次長(現書記長 神奈川銀行従組)、全農協労連・星野慧書記次長(全農協労連本部)、郵政ユニオン家門和宏副委員長(から報告を受けから報告を受けました。地域金融は地域経済を地域住民のと結びつけて充実させることが求められます。その視点からひき続き研究会を継続していく予定です。

2023年研究会報告を読む  2023年研究会報告 「農協の合併・組織再編と地域の生存権」 星野慧(2024年11月7日up) 

報告資料を開く2023年研究会報告資料 「農協の合併・組織再編と地域の生存権」 星野慧 (2024年11月7日up)


2023年研究会報告「金融機関における窓口の現状」 金融労連書記次長 上田直也 (2024年11月2日up)

当ネットワークでは2023年10月15日に「地域社会のおける金融窓口(金融機関、郵便局、農協)のあり方を考える」をテーマに、金融労連・上田直也書記次長(現書記長 神奈川銀行従組)、全農協労連・星野慧書記次長(全農協労連本部)、郵政ユニオン家門和宏副委員長(から報告を受けから報告を受けました。地域金融は地域経済を地域住民のと結びつけて充実させることが求められます。その視点からひき続き研究会を継続していく予定です。

2023年研究会報告「金融機関における窓口の現状」上田直也を開く2023年研究会報告「金融機関窓口の現状」上田直也 2024年11月2日up)

報告レジュメ「金融機関における窓口の現状」上田直也を開く報告資料「金融機関における窓口の現状」上田直也(2024年11月2日up)


報告資料「地域金融と地域経済のあり方―儲かる資金配分論でいいのか」鳥畑与一 (2024年11月2日up)

金融・労働研究ネットワークでは11月3日に研究会を予定しています。テーマ「地域金融と地域経済のあり方―儲かる資金配分論でいいのか」について、静岡大学鳥畑与一教授から、テーマ 「北海道の地域金融で起きていること」について北海道自治体問題研究所三浦泰裕事務局長から報告を受けます。鳥畑教授から36ページの報告資料をアップします。

鳥畑教授報告資料を開く「地域経済と地域金融の在り方 ~儲かる資金配分論でいいのか~」鳥畑与一 (2024年11月2日up)


「キャリアに活かす雇用関係論」に寄せて ④ 倉澤友輔 (2024年11月2日up)

金融・労働研究ネットワークは「働き甲斐ある職場をどう実現するか──ジェンダーの視点を基軸に」をテーマとする研究会を2024年6月29日に開催しました。研究会では、今年出版された駒川智子・金井郁編著(2024)『キャリアに活かす雇用関係論』世界思想社をテキストに、同書編者・執筆者の駒川智子教授(北海道大学)、金井郁教授(埼玉大学)、川村雅則教授(北海学園大学)から報告を受け、金融労連さわやか信金従組の倉澤友輔委員長から「育児短時間勤務制度拡充の取り組みについて」職場を変えていく実践として報告を受けました。

金融労連さわやか信金従組の倉澤友輔委員長は同従組が「育児短時間勤務制度拡充」に取り組んだ経緯を報告。労働組合の運動に女性組合員の参加が求められるとして、呼びかけたところ「育児短時間勤務制度の拡充がなければ働き続けられない」という切実な訴えが寄せられました。この取り組みを通じて、女性の要求の切実さ、制度拡充が前進しても男性組合幹部と女性組合員の受け止め方が違うこと、困難に直面している当事者を組合全体で支援する取り組みが求められるなど報告しました。

倉澤委員長報告を開く「キャリアに活かす雇用関係論」に寄せて」 ④ 倉澤友輔 (2024年11月2日up)


「キャリアに活かす雇用関係論」に寄せて③ 川村雅則 (2024年11月2日up)

金融・労働研究ネットワークは「働き甲斐ある職場をどう実現するか──ジェンダーの視点を基軸に」をテーマとする研究会を2024年6月29日に開催しました。研究会では、今年出版された駒川智子・金井郁編著(2024)『キャリアに活かす雇用関係論』世界思想社をテキストに、同書編者・執筆者の駒川智子教授(北海道大学)、金井郁教授(埼玉大学)、川村雅則教授(北海学園大学)から報告を受け、金融労連さわやか信金従組の倉澤友輔委員長から「育児短時間勤務制度拡充の取り組みについて」職場を変えていく実践として報告を受けました。

第10章を執筆された川村教授は「非正規雇用をめぐる問題ーまっとうな雇用の実現を目指して」と題して、非正規労働者の正規労働者との格差是正が目指されている中で、公務部門で格差是正に逆抗する会計年度任用職員制度の新設・拡大の問題などを学生はどう受け止めるかなど報告しました。

川村教授報告を開く「キャリアに活かす雇用関係論」に寄せて ③ 川村雅則 (2024年11月1日up)

川村教授報告資料を開く第10章 ⾮正規雇⽤ まっとうな雇⽤の実現のために


「キャリアに活かす雇用関係論」に寄せて② 駒川智子 (2024年11月1日UP)

金融・労働研究ネットワークは「働き甲斐ある職場をどう実現するか──ジェンダーの視点を基軸に」をテーマとする研究会を2024年6月29日に開催しました。研究会では、今年出版された駒川智子・金井郁編著(2024)『キャリアに活かす雇用関係論』世界思想社をテキストに、同書編者・執筆者の駒川智子教授(北海道大学)、金井郁教授(埼玉大学)、川村雅則教授(北海学園大学)から報告を受け、金融労連さわやか信金従組の倉澤友輔委員長から「育児短時間勤務制度拡充の取り組みについて」職場を変えていく実践として報告を受けました。

駒川教授は同書の編者・執筆者として同書に込めた思いを報告しました。

駒川教授報告を開く「キャリアに活かす雇用関係論」に寄せて②

駒川教授報告資料を開く報告資料 働き甲斐ある職場をどう実現するか


研究会報告レジュメ 北海道の地域金融で起きていること(2024年10月30日up)

金融・労働研究ネットワークでは11月3日に研究会を予定しています。テーマ「「地域金融と地域経済のあり方―儲かる資金配分論でいいのか」について、静岡大学鳥畑与一教授から、テーマ 「北海道の地域金融で起きていること」について北海道自治体問題研究所三浦泰裕事務局長から報告を受けます。11月3日研究会 報告レジュメ 北海道の地域金融で起きていること 三浦泰裕 (2024年10月30日up)

当ネットワークでは昨年10月15日に「地域社会のおける金融窓口(金融機関、郵便局、農協)のあり方を考える」をテーマに、金融労連・上田直也書記次長(現書記長 神奈川銀行従組)、全農協労連・星野慧書記次長(全農協労連本部)、郵政ユニオン家門和宏副委員長(から報告を受けから報告を受けました。金融行政は「貯蓄から投資へ」のかけ声で、市場での資金運用重視を推進しています。しかし、地域金融は地域経済を地域住民のと結びつけて充実させることが求められます。その視点からひき続き研究会を継続していく予定です。


「キャリアに活かす雇用関係論」に寄せて① 田中均(2024年6月13日up)

今年1月に出版された「キャリアに活かす雇用関係論」(世界思想社)は、職場における男女格差をどう解消するか、働く者の権利をいかに発展させるかが編集の柱となっています。北海道新聞2月4日付は「企業男女格差どう解消」の見出しで、同書執筆者の駒川智子北海道大学教授と北海学園大学の川村雅則教授へのインタビューを掲載。同書の編者の一人でもある駒川教授インタビューの見出しは「現状を変える思考力を」とあり、川村教授インタビュー記事見出しは「性別役割分業を見直せ」として同書に託した思いを示しています。また、3月2日には出版記念シンポジウムが東京のお茶の水女子大学で開催されました。同書を読み進め、出版記念シンポジウムにも参加する中で、金融労働運動の立場からどう受け止めるか考えました。駒川教授の「現状を変える思考力」をどう受け止めるか。

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研究会報告 米国バイデン政権の経済的方向性 小倉将志郎 (2022年5月16日up)

公益財団法人政治経済研究所の現代経済研究室は、2月2日、「米国バイデン政権の経済的方向性」をテーマにオンライン研究会を開催し、駒澤大学の小倉将志郎教授から報告を受けました。小倉教授は、バイデン政権が新自由主義の見直し、新自由主義からの「転向」を目指しているのか、それは実現可能かを検討する前提条件として、そもそも新自由主義とは何か、この間の新自由主義政策は何をもたらしてきたかを分かりやすく簡潔に解説。その上で、カーター、レーガン、クリントン、ブッシュJr、オバマ、トランプの歴代米国大統領の政策を新自由主義政策との関連で整理されました。

研究会報告を開く研究会報告 米国バイデン政権の経済的方向性 小倉将志郎 (2022年5月16日up)

報告レジュメを開く報告レジュメ 米国バイデン政権の経済的方向性 (2022年5月16日up)


報告 コロナ禍の中小商工業者の経営と自治体支援策の特徴 宮津友多 (2022年2月17日up)

この報告は、昨年11月7日開催の研究会「コロナ禍後に求められる中小企業金融-中小企業憲章・中小企業振興条例の取り組みの視点から」問題提起 平田美穂氏(中小企業家同友会全国協議会 政策広報局長)において、宮津氏から行われた報告を文章化したものです。宮津氏は、資料に基づき具体的な事例を報告されました。コロナ禍における業者や、支援に取り組む自治体職員の思いにまで言及されました。資料を合わせてご参照ください。

報告を開く報告 コロナ禍の中小商工業者の経営と自治体支援策の特徴 宮津友多 (2022年2月17日up) 資料を開く資料 コロナ禍の中小商工業者の経営と自治体支援策の特徴


研究会の紹介 地域金融機関再編と信用金庫の役割(2021年5月7日up)

舞鶴市の「まい研」(まいづる市民自治研究所)は、4月6日火曜日に第66回定例会を舞鶴市勤労者福祉センターで開催。「銀行再編と地域経済」をテーマに、金融労連近畿地協の阿部正巳事務局長(元京都北都信用金庫従業員組合執行委員長)から報告を受けました。定例会には、「まい研」会員、阿部事務局長のほか京都北都信金従組の役員も参加しました。

全文を読む研究会の紹介 地域金融機関再編と信用金庫の役割(2021年5月7日up)


「加速する地方銀行の再編政策」をテーマにZOOM研究会 (2021年3月15日p)

2月21日(日)、金融・労働研究ネットワークは、「加速する地方銀行再編政策の問題点について」をテーマに、インターネットを使ったZOOM研究会を開催。静岡大学の鳥畑与一教授から地方銀行の再編を加速させようとする、金融庁と日銀の政策について報告を受けました。研究会には、金融労連など金融労組から7名、中小企業家同友会、民商、自治体問題研究所、政治経済研究所、雑誌「経済」編集部など17名がインターネットを通じて各地から参加しました。

全文を読む研究会報告 「加速する地方銀行の再編政策」をテーマにZOOM研究会 (2021年3月15日up)

報告資料を開く報告資料 加速する地方銀行の再編成策の問題点について(2021年3月15日p)


「財界と政府の雇用・人事・賃金政策の最近の動き」をテーマにZOO研究会(2021年2月11日up)

金融・労働研究ネットワーク研究会は2020年12月13日に「財界と政府の雇用・人事・賃金政策の最近の動き」をテーマに、研究会を開催しました。新型コロナウイルス感染防止のために研究会はインターネットを活用して行いました。労働総研理事の金田豊氏から報告を受け大阪、滋賀、山形など地方からもZOOMを使って参加・議論されました。財界と政府は新型コロナウイルス感染が問題となる以前から、雇用・人事・賃金制度の改定を打ち出してきました。新卒一括採用で企業内で教育訓練を行っていく、従来の日本型雇用をメンバーシップ型雇用として、今日の経済・雇用環境の大きな変化に対応していくためにジョブ型雇用の導入など雇用・人事制度の見直しが打ち出されています。この問題について金田豊氏はジョブ型雇用の導入で、必要な技術水準に対応できる人材を外部から適時調達を可能にしようとしても、企業外の外部労働市場が形成されていない我が国の実態との不適合を指摘。またエンゲージメントの高揚の強調は、戦前の滅私奉公をほうふつさせると批判。さらに、戦後の労働運動が確立してきた労働者の権利の侵害・無権利化が規制緩和の形で推進される危険を警告。この雇用改革は「雇用によらない労働」を拡大し、ウーバーイーツなどギグワーカーのような、労働者保護法制の適用されない「労働者」の大幅増につながります。また現在、新型コロナ感染防止で進められている在宅勤務、リモートワークも在宅勤務が常態化する中で、企業に雇用された労働者から業務請負の自営業者に転換される可能性もあります。当日の報告レジュメと、金田氏が2020年9月27日に労働総研賃金・最低賃金問題研究部会で行われた研究会報告の筆耕原稿を参照。

報告レジュメを開く報告レジュメ「財界と政府の雇用・人事・賃金政策の最近の動き」(2021年2月11日up) 金田氏報告原稿を開く「財界の賃金政策の最近の動向」 金田豊


報告レジュメ コロナ収束後 の金融 財政政策を 考える ~MMTの問題点を一視角に(2020年10月12日up)

金融・労働研究ネットワークは、9月27日「コロナ収束後の金融 財政政策を 考える
~MMTの問題点を一視角に」をテーマに研究会を開催。研究会は新型コロナウイルス感染防止のために、ZOOMを活用して行われました。鳥畑教授は「赤旗」に論評を掲載し(7月29日~31日)、雑誌「経済」10月号にも「『現代貨幣理論(MMT)』は積極財政の根拠たりうるか」を執筆されてています。それらを踏まえ、研究会では詳細な報告レジュメを使って解説。コロナウイルス禍が異次元の金融緩和=アベノミクスの矛盾を激化させ破綻を鮮明にしたと指摘し、同時に財政の収支均衡に制約されない赤字財政政策が可能であるとするMMTをも批判。富める者に一層富を集中し、他方で最低の生活も保障されない底辺層をさらに拡大していく格差構造を根本的に変えていくことなしに、直面している危機を克服することはできないと論じました。

報告レジュメを開くコロナ収束後の金融 財政政策を 考える~MMTの問題点を一視角に(2020年10月11日up)


(報告)「現代資本主義をどう捉えるか」高田太久吉(2020年10月11日up)

金融・労働研究ネットワークは昨年(2019年)12月15日に「現代資本主義をどう捉えるか」をテーマに研究会を開催し、当ネットワークの高田太久吉(中央大学名誉教授)から報告を受けました。高田代表は、月刊『経済』(新日本出版社  2019 年 11 月号)掲載の「[研究]『現代資本主義をどう捉えるか経済の金融化論の視点から…』」や、いくつかの講演で論じてきた視点を対寧に解説。アメリカの大統領選挙で特に若者に広がる「社会主義」あるいは「民主社会主義」志向の拡大をもたらしている今日の資本主義経済の行き詰まりをどのような視点に立脚して分析すべきかを提起。現代資本主義を理論的・歴史的・世界的に(トータルに)捉える必要性を確認し、現代資本主義を特徴づけるものを「経済の金融化」であると規定しました。「経済の金融化」は高田代表が従来から明らかにしていることですが、高田代表はさらに「『経済の金融化』とは、企業、家計、財政をふくめ、資本主義経済全体の運行が証券(架空資本)市場の動向に依存 し、 規定される (シンクロする) 度合いが強まる傾向を意味している」と説明。さらに、「『経済の金融化』=『架空資本市場依存型資本主義に向かう傾向』は、資本主義が本来の健全な成長経路・蓄積様式から新自由主義の影響で 一時的に 乖離し、腐朽性を強めた結果 と考えるべき ではない」と説明。「貨幣形態での価値増殖 G- G’ を目指す資本の運動 は本来 「非」実体的 「非」有用的 であり」・・・「経済の金融化」は、資本の 本性(概念) から発現する 本来的傾向 であり、資本主義の歴史的 発展の 必然的 帰結 (純粋な資本主義、資本主義の完成形) である」論じられました。

報告レジュメを開く報告レジュメ「現代資本主義をどう捉えるか」高田太久吉(2020年10月11日up)

 


報告レジュメ 地域金融機関の事業性評価融資 斎藤壽彦 (2020年1月30日up)

金融・労働研究ネットワークでは2019年9月16日の定例研究会で「地域金融機関の事業性評価融資」をテーマに千葉商科大学名誉教授の齊藤壽彦氏から報告を受け議論しました。齊藤氏は39ページの詳細なレジュメに基づいて報告され、参加者からは職場で現実に何が起きているか議論されました。報告、議論では地域金融の経営が非常に厳しい中で、 ビジネスモデルが不明であり、合併・経営統合が金融行政から提起されているが、経営が悪い同士の合併は効果が疑問であるなどが指摘されました。金融の現場からは「担保・保証に依存しない」が言葉として合言葉になっているが、実際には先を見とおした「事業性」を見るよりも、量をどう増やすかが優先され「あわせて、生産性の向上が求められ、時間をかけてはだめだ」と言われる現実が訴えられました。その結果、事業性評価シートの作成も、つじつま合わせの作文となってしまっているなどの指摘も出されました。この研究会は職場からの提起を受けて開催しました。その根底には、どうしたらお客様のためになる「事業性評価」融資ができるのかを考えたいという要求があります。

報告レジュメを開く報告レジュメ 地域金融機関の事業性評価融資 斎藤壽彦

 


報告レジュメ 「地域金融機関の再編をめぐって」

当金融・労働研究ネットワークは、6月16日(日)に定例研究会を開催し「地域金融機関の再編をめぐって」をテーマに、静岡大学の鳥畑与一教授から報告を受けました。鳥畑教授は行政の地域金融機関再編への動きが、強められていると指摘。4月の未来投資会議で独占禁止法の制限緩和が打ち出されたことや、「中小・地域金融機関向け総合的監督指針」改正案で「足下では一定の健全性を維持していても…足元の実態に止まらず、持続可能な収益性・将来にわたる健全性についてモニタリングを行い、早め早めの経営改善を促していく必要がある」とされたことの意味するところを解説。現状の経営が健全であっても「将来」の「健全性」を問題としている点を指摘。「健全性」の判断についても実質業務純益が黒字でも「顧客向けサービス業務収支」を判断の指標とするなど従来と違った基準で「限界地銀」を特定して合併再編の圧力を強めかねない懸念を明らかにしました。さらに、今日、地域金融機関が直面している困難は合併・再編で解決する問題ではなく、再編・合併が地域金融機関の財産である地域とのつながりを失わせるなどの問題を指摘しました。報告レジュメを開く報告レジュメ 「地域金融機関の再編をめぐって」鳥畑与一 (2019年8月2日up)


報告レジュメ 新福祉国家構想ー歴史認識と対抗枠組み 後藤道夫(2019年5月30日up)

金融・労働研究ネットワークでは4月28日に定例研究会を開催し、後藤道夫氏(都留文科大学名誉教授・福祉国家構想研究会共同代表)から「新福祉国家構想―歴史認識と対抗枠組み」をテーマに報告を受け、議論しました。報告では「新福祉国家論」の「新」の意味するところ、前提となる歴史認識について説明がありました。冷戦終結後のグローバルな資本主義と新たな武装紛争の頻発する現実をどう理解すべきか。従来、帝国主義を資本主義の独占段階として海外植民地領有、植民地支配を伴うものとしての理解が通説となっています。後藤氏は帝国主義を資本主義の国家による支配の体制の概念とし、植民地を持たない歴史段階のイギリスをも帝国主義として把握する学説をも紹介。また、従来のとらえ方では、一国の独占資本が国家権力を使って内外の市民・労働者を支配するものととらえられていましたが、こうした捉え方では今日のグローバル資本主義をとらえきれなくなっています。資本主義の在り方が大きく変化している現実をどう捉えていくか。歴史的に長期のスパンで、広い視点での分析の重要性を認識させる研究会となりました。

報告レジュメを開く報告レジュメ 新福祉国家構想ー歴史認識と対抗枠組み


地域社会の発展に貢献する協同組織金融 齊藤正

当金融・労働研究ネットワークの1月定例研究会では、駒澤大学の齊藤正教授(協同金融研究会代表)から、「地域社会の発展に貢献する協同組織金融」をテーマに報告していただきました。当日の詳細な報告レジュメは、研究会の後に当ホームページにアップ済です。当日の報告では、人々の分断・孤立化など金融問題の前提となる今日の社会の状況が詳しく考察され、それにどう向かっていくかという問題意識から、協同組合の置かれている状況が分析されました。「孤独なボウリング」=一人で黙々とボウリングをする社会、「ゼロサム社会」=誰かの成功を許せない社会など、今日多くの人が感じている社会と人間のゆがみ、これに立ち向かってどのような地域社会=コミュニティを目指すか。協同組織金融・地域金融を再構築していくことと人々の孤立化=社会のゆがみを克服してくことが一体のものだと考えさせられる報告でした。その社会のゆがみ・人々の分断はどこから来るのか。齊藤教授は故宇沢弘文氏の「社会的共通資本」の「損壊」を指摘されています。宇沢弘文氏について、齊藤教授は詳しく触れられていませんが、今年3月に講談社から刊行された「資本主義と闘った男―宇沢弘文と経済学の世界」(佐々木実著)は630ページの圧巻で、宇沢氏の人と学説を非常に詳しく理解できます。同書では、今日の経済政策に大きな影響を与えたケインズ経済学と、ミルトン・フリードマンを筆頭とする新古典派経済学との理論的・人脈的対抗。フリードマンと同じシカゴ大学に在籍した宇沢弘文氏が、新古典派経済学の決定的な欠陥をベトナム反戦運動の高まりの中でのアメリカの学生たちとの出会いや日本の悲惨な公害の多発から明確に認識して「社会的共通資本」概念確立に至ったことが理解できます。

齊藤教授報告を開く地域社会の発展に貢献する協同組織金融 齊藤正 (2019年5月25日up)


報告レジュメ「地域社会の発展に貢献する協同組織金融」 齊藤正(2019年2月5日up)

1月27日日曜日、金融・労働研究ネットワークは定例研究会を開催し、駒澤大学の齊藤正から「地域社会の発展に貢献する協同組織金融-協同金融の現状と課題・展望について」をテーマに報告を受け、議論をしました。

齊藤教授は、まず宇沢弘文氏の「社会的共通資本」に示される「制度資本」の考え方を紹介。社会を存続させる基本条件として「自然資本」(大気、河川・海洋、森林など)と同様に、医療、教育、司法、と並んで金融制度等を「制度資本」として位置付ける。宇沢弘文氏の「社会的共通資本」と言われると、実感がわかないかもしれません。社会が持続的に存在し続けるために必要な基本条件となるものと理解できます。金融の現場から発信されている言葉と重ねると、金融労連関東地協のK議長の言葉がうかびます。K議長は色々な集会で組合代表としてあいさつをされます。話題の基本は、日常の生活での人々相互の思いやりの大切さと、それがいつの間にか失われてきてしまっていることへの懸念です。このK議長のお話は、都度、例を変えて同じテーマで繰り返され、集会参加者におなじみとなっています。それは、労働組合幹部であると同時に職場においても指導的な立場にあるK議長の、協同組織金融機関(信用金庫)職員としての社会への姿勢であり、地域金融機関が本来果たすべき役割の責任感から出てくるものです。

齊藤教授が研究会報告で、冒頭に宇沢弘文氏の「社会的共通資本」が紹介されたのは、人間社会が存続し、持続的に発展していくための基本条件を確認するところから金融問題を考えていく必要があるからだと受け止めました。以上の説明を踏まえて、齊藤教授の報告はそうした基本的な条件が破壊されている状況(レジュメでは「1掘り崩される「持続可能な発展」の基盤」)、「2地域経済の疲弊を招いた要因」「3アベノミクスと『地方創生』戦略」「4地域再生に向けた協同組織金融機関の役割」と議論が進められました。(レジュメ、資料参照)当日の報告は、文章化してホームページにアップしたいと考えています。)報告レジュメ 「地域社会の発展に貢献する協同組織金融」齊藤正 (2019年2月5日up)


報告資料「英国調査から」合田寛 (2019年2月5日up)

金融・労働研究ネットワークは、12月16日に研究・懇談会を開催しました。当日は、4月から5月(2018年)にかけて、日本弁護士連合会の調査団に同行して英国を調査した政治経済研究所理事の合田寛氏から、英国の最低賃金、低賃金・低所得層を犠牲にして進められている緊縮財政政策に反対している「反緊縮運動」などについての報告をうけました。報告の中で、英国では若者の選挙における投票率の上昇、2017年の総選挙では18歳 ~29歳の若者階層では、労働党への投票率が63~66%に対して、保守党への投票率が23%~19%となっているなど、格差拡大の中で若者が変化していることが示されました(報告資料参照)。報告・懇談会では今後の研究会活動の在り方テーマについて懇談しました。報告資料「英国調査から」(2019年2月5日up)


金融ビッグバン政策とスルガ銀行不正融資

スルガ銀行の不正融資事件の問題の出発点はどこにあるか。駿河銀行従業員組合は、橋本龍太郎内閣が打ち出した金融ビッグバン政策の中で、1998年にスルガ銀行が大きく営業方針を転換し、地方銀行の果たすべき社会的責任を放棄していることを告発していました。これは同年8月に開催された「第26回銀行労働者夏期講座」の中で、同従業員組合が報告したものです。現場で働く労働者の目からは、明らかに地方銀行の本来の業務を放棄する経営方針の大転換であり、20年後の前代未聞の大規模な不正融資を予見するものでした。この報告は「銀行労働調査時報」98年10月号に掲載されています。その中で、地方銀行協会の「地銀協月報」にも論文を執筆するコンサルタント氏が「某週刊経済誌」に「スルガ銀行個人戦略の凄味」というレポートを執筆しスルガ銀行の方針転換を称賛しているとして、その無責任を批判しています。「調査時報」のレポートではYというコンサルタントが「某週刊経済誌」に執筆したとなっています。さかのぼって調べると「週刊ダイヤモンド」の98年6月13日号に、山本真司氏が「金融ビッグバンを勝ち残るスルガ銀行個人戦略の凄み」を執筆されています。現在、スルガ銀行の不正融資を告発・批判する報道が氾濫していますが、問題の根本には金融行政が率先して推し進めてきた政策と、それを称賛してきた無責任な専門家の暗躍があるのではないかとの疑問が膨らみます。金融ビッグバン政策とスルガ銀行不正融資(2018年11月28日up)


記事紹介 スルガ銀行不正融資 鳥畑教授が赤旗日曜版で解説

スルガ銀行の不正融資事件について、静岡大学の鳥畑与一教授が「しんぶん赤旗日曜版」11月4日の「経済 これって何?」のコーナーで解説しています。鳥畑教授は、多数の被害者が発生したシェアハウス向け融資の背景に、スルガ銀行銀行が1980年代後半以降展開してきた同行の戦略=個人向け融資への集中があったと指摘。スルガ銀行は貸出残高の中、個人ローンの比率が90%(2017年度)、新規貸し出しに占める静岡県内の貸出比率が2015年度で2%、と地方銀行の本来の社会的役割放棄した経営で高収益を上げてきました。金融庁は金融機関に対して「顧客本位の経営」を強調していますが、地方銀行の社会的役割発揮からかけ離れた経営を行ってきた同行を評価さえしてきました。「赤旗日曜版」鳥畑教授解説記事(2018年11月27日up)


報告レジュメ スルガ銀のビジネスモデル破綻の意味

金融・労働ネットワークでは10月21日に開催した定例研究会で、商工中金の不正融資問題と合わせてスルガ銀行の不正融資問題を議論しました。この研究会で静岡大学の鳥畑与一教授は「スルガ銀のビジネスモデル破綻の意味」について詳細なレジュメと資料を示し、スルガ銀行の不正融資に関する第三者委員会の報告を分析。鳥畑教授はスルガ銀行のビジネスモデルが地域の中小企業融資から離れて、個人向け融資に特化し、カードローン、不動産関連融資、県境を超えた営業展開に走る方向に進んだことが今回の暴走につながったことを指摘。その背景に量的緩和とマイナス金利政策によって地域金融機関の金融仲介機能が発揮できず、本業での収益確保が極めて困難になっていることなどを指摘しました。またそうした状況の下で、地方銀行への海外投資家の投資比率が増大しているなど、地域金融機関経営が国際的に広がっている株価至上主義に左右されることへの実態分析の必要なども指摘しました。報告レジュメ 「スルガ銀のビジネスモデル破綻の意味」(2018年11月25日up) 表1 スルガ銀行の部門別貸出額と収益不動産貸出 表2 地方銀行の収益の推移 表3 スルガ銀行の収益の推移 表4 スルガ銀行収益の推移と配当金 表5 スルガ銀の新規貸出額推移 表6 役員報酬比較 表7 スルガ銀行の株主構成 表8 スルガ銀のストックオプション制度


報告レジュメ 商工中金問題をどう考えるか

金融・労働研究ネットワークでは10月21日に定例研究会を開催し商工中金懇話会事務局長の尾藤憲和氏から商工中金の不正融資問題について報告を受け、スルガ銀行の不正融資問題と合わせて議論しました。商工中金の不正事件は社会的・経済的環境の変化等により一時的に業況が悪化した企業を対象とする政策融資=危機対応融資を不正に融資拡大に利用した問題が発覚した事件です。尾藤氏は不正が行われるに至る経過と不正再発防止に向けた取り組みを解説し、問題の根本に政策金融の担い手である商工中金の民営化=株式会社化が進められてきたことがあると指摘。報告受けた議論の中では、民営化を正面から批判して政策金融機関としての機能発揮を目指すべきという意見が出されました。また、株式会社化の完了が先送りになってきたことの背景には、景気の変動=経済環境の悪化への対応があったと同時に、経済環境の悪化に対して政策金融機関としての商工中金を求める中小業者の要請がある点も指摘されました。本来の危機対応融資を逸脱した営業が企業ぐるみで行われた点について、企業内部から告発・是正が行われなかった問題について、権利主張をする労働者を差別・排除する経営が行われてきた結果であることも問題となっていることも指摘されました。 報告レジュメ 商工中金問題をどう考えるか (2018年11月24日up)


東京国際金融センター構想についての研究会報告レジュメをアップ

当金融・労働研究ネットワークでは4月22日に東京金融センター構想についての研究会を開催しています。報告レジュメ「国際金融都市・東京」(合田寛氏 政治経済研究所)、「国際金融センターとしてのロンドンと東京」(高田太久吉氏 金融・労働研究ネットワーク代表)をアップします。

報告レジュメを開くレジュメ「国際金融センターとしてのロンドンと東京」(2018年10月30日up) レジュメ「国際金融都市・東京」(2018年10月30日up)


報告レジュメ アベノミクスの破綻と地域金融機関の再編 鳥畑与一

金融・労働研究ネットワークは7月14日に「アベノミクスの破綻と地域金融機関の再編」をテーマに研究会を開催し、静岡大学の鳥畑与一教授から報告を受けました。鳥畑教授は地域金融機関の経営の困難の原因が、アベノミクスとりわけマイナス金利政策など金融政策の失敗にあることを見ようとしないで、地域金融機関の本来の役割発揮とは逆行した地域金融機関の再編を進めようとしていることを批判。金融政策の行き詰まりを金融行政で突破しようとしていると指摘。安倍政権の成長戦略を地域金融機関の機能強化(新陳代謝促進)で支え、県境を越えた広域での合併=スーパーリージョナルバンク=大規模地域金融機関を作り出そうとしているとしました。そして、それは問題の真の解決方向ではなく悪循環を一層促進するだけではないのかと疑問を提起しました。鳥畑教授には2017年3月5日にも報告いただいています。その時の報告と報告レジュメを合わせてご参照ください。

報告レジュメを開く報告レジュメ アベノミクスの破綻と地域金融機関の再編 鳥畑与一 (2018年8月23日up)

2017年3月5日報告を読むマイナス金利政策と中小金融機関 金融庁の金融行政との関連で(2017年12月14日up)

2017年3月5日報告レジュメを開く報告レジュメ マイナス金利政策と中小金融機関(2017年3月31日up)


JMIUにおける組織拡大の取り組みと非正規雇用労働者のたたかい

大手銀行、とりわけメガバンクは雇用構造が大きく変化し非正規雇用労働者が銀行本体の正規雇用労働者に匹敵する存在となっています。これは、ユニオンショップ協定で雇用を保証され、同時に企業帰属意識に呪縛された行員が組織する企業内組合と経営者の労使関係の外側に、従来の労使関係では解決できない労使関係が非常に大きなウエイトをもって存在していることを意味します。今後に予定されている大手銀行のリストラ計画にどう対応するか。これまでの企業内労使関係の枠を超えた構えが求められます。その構えを考える基本は、すべての労働者を仲間と考え組織化の対象と考える「闘う」労働運動の原則にあります。金融・労働研究ネットワークでは2013年7月に当時のJMIUの三木書記長に「JMIUにおける組織拡大の取り組みと非正規雇用労働者のたたかい」をテーマに報告していただきました。報告から時間が経過していますが、今打ち出されているメガバンクのリストラ計画にどう対応するかを検討するとき、産業の条件は全く違いますが、総評全国金属以来のたたかう伝統を引き継いで闘っている経験は今後の闘いに重要なヒントを提示しています。

報告を開くJMIUにおける組織拡大の取り組みと非正規雇用労働者のたたかい(2018年8月9日up)